頸部の運動と椎間孔の変化

頸部の運動が、椎間孔のサイズに大きく影響を及ぼします。

特に屈曲と伸展の運動中には大きくなります。

中立位を基準にして、40°屈曲すると、頸部椎間孔の面積が31%増加し、対照的に30°進展すると、面積が約20%減少することが分かっています。

屈曲時にはC3の下関節面が上前方に移動することで、C3-C4椎間孔が増加するため、完全屈曲時には、脊髄神経根が通過する余地が広くなります。

こうした矢状面の運動による変化に加えて、側屈や体軸回旋中にも、椎間孔のサイズは変化します。

側屈では対側椎間孔の面積が増加します。

体軸回旋でも、対側椎間孔の面積が増加し、40°の頭頸部回旋では20%も増加します。

こうしたメカニクスは、骨棘が形成されたり、脊髄神経根周囲の結合組織の腫脹などにより椎間孔が狭窄された場合に、重要な意味を持ちます。

脊髄神経根が圧迫されると、神経根障害が同側の腕の先端に向かって、通常は頸部の皮膚分節に沿って生じます。

圧迫によって、脊髄神経根に炎症が生じると、腕に沿った放散痛の原因ともなります。

通常は、頭頸部に過大な運動をさせることで疼痛が出たり増悪したりします。

例えば、右の椎間孔が重度に狭窄されていたとして、この神経根を圧迫する可能性の高い運動は完全伸展、特に右側屈や右体軸回旋の複合運動が組み合わさった場合である可能性が高いとされています。

男性であれば、左側の顎の髭を剃る動作となります。

狭窄した椎間孔によって圧迫されている神経根を除圧する方法として牽引療法が良く用いられています。

牽引の際に、頸椎領域のポジションを慎重に行えば、理論的には椎間孔を広げることができると言われていますが、臨床現場ではその使用に賛否別れるところとなっています。

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